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技術ブログ 本の紹介

バベッジのコンピュータ

何時の世も面倒な事を自動化したいという 願いは必ずあるものだ。 計算という人間に課せられた最も面倒な作業の一つを機械に代行させるという夢が現れるのも当然の事であろう。 最古の計算機は古代バビロニアで発見されたそろばんであるが、一九世紀の初頭の蒸気による産業革命とともに一人の英国の数学者も計算機の虜になってしまった。 チャールズバベッジだ。彼は「階差エンジン」と「解析エンジン」を開発した。  バベッジが生まれたのは一八世紀終わりの ロンドンである。彼の父親は金融業に関わっ ており、相当の財産を持っていた。この頃の 社会状況として、蒸気機関による動力革命と フランス革命により、応用科学や技術の重要 度が高まるという流れがあった。バベッジは 子供の頃から数学と発明が大好きな賢い少年 であった。大学を主席で卒業すると、すぐに 結婚し、父の遺産のお陰で夫婦と子供が生活 を送るだけの資産を持っていた。就職は機会 を探していたが全て虚しい結果になったそう だ。この時点でかなり羨ましいと思う。生ま れ付きの才能なんて信じていないが、生まれ た環境の良さもバベッジの恵まれた点である と考える。二◯代後半にかけて解析数学や不 遍言語学の周囲を巡っていたバベッジの想像 は一つの目的に辿りついた。絶対に誤らない 計算機の制作である。この発想の動機は「正 確な数表を作りたい」というものであった。 当時の数表は熟練した人間が長たらしい計算 を行い、間違えた計算が書き写され、印刷の 際にも新たな間違いが入り込むというシステ ムにより作成されていた。数表は言うまでも なく、計算を省く為に作られる。ところがこ れを制作する際に計算が必要だと言う矛盾が ある。正確な数表を作るには人間の疲労や注 意力不足などが障害となる。要は人間が計算 をするから誤る可能性が生まれるので機械に させようというのが西欧近代の思想である。  機械による数表計算というアイディアに魅 了されたバベッジはある夜、その機構を思い つくままスケッチしてみた。アイディアは次 々とうまれ、階差エンジンの原型が考案された。アルゴリズムに有限階差法を採用し、数 表の印刷まで計算機に任せるという天才的な アイディアを考案し、理論上は階差エンジン は実現できると確信した。早速信頼できる技術者を雇い制作にとりかかったが、妻と子供 の逝去や技術者との食い違いによりついに完 成しなかった。五桁までの計算機構は完成したのでバベッジ家の居間に飾られたそうだ。  完成しなかった階差エンジンであったがこ の苦闘の間に全く新しい発想に基づく「解析 エンジン」を考案していた。これは現在のパ ソコンの基になるものであった。コンピュー タの定義として「プログラムに従って情報を 処理する機械」を用いるならば世界最初のプ ログラム制御方式の汎用計算機だと言える。 これが一八三四年だというからとても感慨深 い。解析エンジンは階差エンジンの時にお金が足りず開発が進まなかった事を考え設計に 留まっていたが、最近当時の技術のみを用い て再現できる事がわかったそうだ。これらよりバベッジが最先端を突き抜けているのは一 目瞭然である。  コンピュータの発展はストーリーがあり、 ロマンに満ち溢れているものだ。私も様々な 分野の学問に深く触れて人々の役に立つものを作れる様に日々がんばりたい。

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